今回の勧誘体験談は夢を追って日雇いアルバイトをしている時にそれをキッカケにネットワークビジネス、マルチ商法の勧誘に至ったケースについてご紹介していきたいと思います。
ネットワーカーは夢を追っている若者は大好きで且つ大好物です。
夢を持っている人=その夢を叶える為にネットワークビジネスを手段としてやりましょう!
みたいな感じで思っています。
なので夢を持った人が集まる場所を常に探しています。
そして今回はその夢を持った人が出没する確率が高い、日雇いのアルバイトに潜入していたネットワーカーに勧誘された体験談、実例です。
マルチは夢を持った若者を狙う
当時僕は役者を目指しており、細々とアルバイトをしながら食いつなぐ毎日でした。
アルバイトはあくまでも役者活動の合間にしかできず、役者活動は時間がきっちり決まっているわけではないので、安定したアルバイトにありつくこともできず、日雇いや単発のバイトを転々をしている状態でした。
そんなとき、単発のバイトで仲良くなった人がいました。
仮にこの人をYさんと呼ぶことにします。
Yさんもバイトをしながら役者を目指しているということで意気投合し、バイトが終わったらすぐにメールアドレスを交換し、その後メールでいろいろお互いのことを話しました。
ある日のこと、Yさんから自宅に招待を受けました。
別段、断る理由もありませんでしたし、家もそんなに遠くなかったので、何も考えずにOKしました。
そして当日。
Yさんの家に着くと、待っていたのはYさん、Yさんの彼女さん、そして彼女さんの妹さんという3人。
そういえばメールで、よく家に遊びに来るんだという話を聞いてはいたけれど、まさか今日も一緒だとは…。
それから、なぜか彼女さんと妹さんの二人と一緒に、夕食の買出しに行くことに。
せめて面識のあるYさんと一緒ならともかく、ぜんぜん面識のない女性二人と一緒に買出しに行くのは、気分的に大変窮屈なものがありました。
買出しの道すがら、彼女さんと妹さんは、
「Yさんは役者の活動も大変なのに、他にももっとすごいことを頑張っているんだよ」
「あなたもこうしてYさんと知り合ったのはチャンスだと思うから、Yさんと仲良くした方がいいよ」
等としきりにYさんを持ち上げるような話をしてきます。
そのときは、Yさんに対して変な疑いの目を持っていたわけでもないので、人望のある人なんだなくらいにしか考えていませんでした。
買出しを終えてYさんの部屋に戻ると、鍋パーティーの準備がされていました。
4人で鍋を囲んで、さあ乾杯ということに。
するとYさんが
「食事の前は必ずこれを飲まないとな!」
と、なにやらサプリメントのようなものを取り出してきました。
それに呼応するかのように、彼女さんと妹さんも、
「そうそう、忘れるところだった」
と、それぞれのバッグから同じようなサプリメントを取り出して飲み始めました。
Yさんも含め、ずいぶんと下手な演技だったのを覚えています。
なんでもこのサプリメントを食事前に飲んでおくと、栄養分がしっかり摂れて、不要なものをスムーズに排泄することができるようになるんだそうです。
これを飲み始めてから体の調子がよくなった、肌が綺麗になった、お通じがよくなった等、サプリメントに対しての賛辞の嵐が飛び交いました。
彼女さんがバッグから『たまたま持っていた』というパンフレットを取り出し、成分や効能を事細かに説明してくれました。
これは明らかに雲行きが怪しい…そう感じましたが、ここは完全に敵の陣地、どうすることもできません。
話はエスカレートし、このすばらしいサプリメントをもっと多くの人に飲んでもらうために協力をしてほしいという話に発展していく始末です。
「多くの人にこのすばらしいサプリメントを飲んでもらい、しかも役者としての活動資金も稼げるんだから一石二鳥。役者さんはあいた時間を使ったアルバイトしかできないからぴったりだよね」
という理屈から、
「あなたにはぴったりだよ、やらないと損だよ」
という結論を押し付け始めました。
Yさんにいたっては、
「役者として成功するチャンスを掴むってことなんだ、これをやらないってことは役者の夢をあきらめることだぞ。君の役者への気持ちはその程度なのか?」
という嫌らしい言い方までしてきました。
散々攻め立てられた後、パンフレットとサプリメントの試供品だけもらい、その日は帰りました。
それから数日して、また日雇いのバイトに入ったときに、仲良くなっていろいろ話をした人がいました。
なんと驚くことに、その人もYさんから勧誘を受けたんだそうです。
いや、その人だけでなく、Yさんは勧誘が目的で、この日雇いのバイトに時々顔を出しているんだという事実まで聞いてしまいました。
もちろん、Yさんも役者を目指しているなんていう事実もすべて嘘。
結局Yさんの目的は、夢を追いながら日雇いのバイトをしている=時間が不規則な人=マルチがぴったり、という図式のもと、カモを探しているだけだったということです。
僕自身も少しその気になってしまった部分はあるのですが、役者をやっていたり、音楽をやっていたり、そういった活動をする人間にとって、『空いた時間を使えて権利収入が得られるよ』という誘い文句はとても魅力的です。
さらに、『その分、やりたいことに打ち込めるよ』という追い討ちが入ると、心が揺らいでしまいます。
マルチ商法の勧誘というのは、そういう心のスキを見事なまでに突いてくるものだな、と痛感しました。
結局その後、Yさんとは連絡をとることはありませんでしたが、あのままYさんに協力をしていたとしたら、一体どうなってしまっていたのだろう…と、今でも思うことがあります。
この勧誘ケースについて
ネットワークビジネスの勧誘者であるYさんは役者を目指していると嘘をついている点。
このことからも夢を追いかけている若者を食いものにしているということが非常にわかります。
ターゲットの状況に合わせて自分も同じ境遇のように作り上げています。
嘘は一度つくとその嘘を隠す為にまた嘘を付きます。
つまり一生嘘をつき続けなければいけません。
仮にYさんの勧誘が成功したとしても、この時点で嘘をついているので信用されず、ビジネスがうまくいくわけがありません。
嘘をつかないと勧誘できないビジネスってやはりビジネスモデルに問題がありますね。